ビタミンEは主に細胞の膜を健康に保つ効果があり、抗酸化作用が強いという特徴があります。生活習慣が乱れている方や、不規則な生活リズムになりがちな方にとっては特に不足させたくない栄養素でもあるので、食生活の見直しが必要です。今回は、ビタミンEが体に与える効果や、どんな食品から摂取できるのかご紹介していきます。
ビタミンEの効果
ビタミンEの効果は、主に健康に関することが多いです。生活習慣が乱れがちな方や、健康に意識を向けたいけど何から取り組んだらいいのかわからないという方必見の効果をご紹介していきます。
細胞の老化を防ぐ
ビタミンEは抗酸化作用が強力な栄養素としても知られています。抗酸化作用とは活性酸素に対抗する力のことで、活性酸素とは老化を早めたり生活習慣病の原因になったりする物質のことです。年齢を重ねれば相応にして体の機能は劣化していき、全身の細胞は老化していきます。しかし、活性酸素が増えすぎて健康な細胞にダメージを与えるようになってしまうと、老化のスピードが大幅に加速してしまうのです。そんな活性酸素から身を守る効果があるのがビタミンEで、しっかり摂取することで最高のアンチエイジングにもなります。日本人の死因で上位を占めているガンや心疾患、脳血管疾患は生活習慣病が発端なので、活性酸素を除去してリスクを軽減することは健康寿命を延ばすことにも繋がるのですね。
動脈硬化の予防
血中の悪玉コレステロール(LDL)が酸化することで、動脈硬化に繋がってしまいます。動脈硬化を防ぐには、悪玉コレステロールが増えすぎて酸化することを抑制することと、血管壁の内側の健康を保つことが重要です。ビタミンEはこの両者に働きかけ、動脈硬化の予防をしてくれます。元々ビタミンEは細胞膜を守る機能が備わっていて、血管壁の内側を構成している細胞を守り、損傷が起こることを防いでくれています。さらに、善玉コレステロールを増やす働きがあるので、悪玉コレステロールを血管内から外に排出して血液の質を向上させることに役立つのです。ビタミンEが血管そのものを良好な状態に保つと共に、中を流れる血液の質を向上させるということです。

糖尿病の悪化を防ぐ
生活習慣病の中でも多い糖尿病になってしまうと、食事から摂取した糖質を上手くエネルギーとして変換できなくなってしまいます。その結果、高血圧症や白内障など様々な二次的な合併症を引き起こすことになります。ビタミンEは、これらの合併症が進行するのを抑えることにも役立つと言われています。臨床の現場でも、糖尿病の初期状態にある患者に対してビタミンEの投与を行うことで、糖尿病が発端となって起こる症状の進行を止めたという例もあります。
ガンの予防にもなる
ビタミンEは、ビタミンCやビタミンAと共に強い抗酸化作用を誇り、ガンの発生原因とされているフリーラジカルを撃退する効果を持っています。特にビタミンEとビタミンCは一緒に摂取することで相乗効果を生み出し、ガン予防にも効果的です。細胞の膜が酸化してサビてしまうことでガンのリスクが高まりますが、ビタミンEは自らを酸化させて細胞膜の酸化を防ぎます。ビタミンCは酸化してしまったビタミンEを還元することに役立ち、酸化状態から脱するサポートをしてくれるのです。実際に、ビタミンEの血中濃度が低いことでガンの発生率が跳ね上がるという研究結果もあるくらいなので、これからの時代は特に必要性が高まるビタミンであると言えます。
血流が改善される
ビタミンEが悪玉コレステロールを排除する善玉コレステロールを増やすことに繋がり、さらに血管壁の健康状態を保つということは、全身の血流が良くなるということでもあります。血流が良くなることで体にもたらされるメリットは計り知れないものがあり、女性に多い悩みである冷え症やむくみなどの予防にも繋がります。さらに、血流が隅々まで行きわたることで体温が高く保たれ、免疫力もアップして代謝も上がります。体温が1℃上がれば代謝は10%以上アップするので、ダイエットを成功させたい方はぜひビタミンEを十分に摂取しておきたいところです。さらに、血液循環の悪化で起こる症状といえば慢性的な肩こりや腰痛であり、マッサージや整体に通っても長年に渡って痛みが取れない方は血流が悪いことが原因になっているのかもしれません。
女性ホルモンの材料になる
ビタミンEは女性ホルモンの材料でもあり、ホルモンバランスが乱れて生理不順やニキビなどの肌トラブルが発生するリスクを軽減してくれます。不妊症の方がビタミンEを摂取することが有効であると言われることがありますが、それは女性ホルモンの材料になってくれるからなのです。妊娠しやすい体作りだけでなく、妊娠した後も流産せずに出産まで過ごせる確率を上げるためにも必要な栄養素です。

ビタミンEが不足するとどうなる?
ビタミンEが健康や美容に効果があることはもちろんですが、不足すると特徴的な症状を発生させます。
溶結性貧血になる
ビタミンEは細胞膜を強く保つのに必要な成分ですが、不足すると赤血球の細胞膜が弱くなってしまいます。その結果赤血球が壊れやすくなり、溶結性貧血という状態に陥ります。過度な食事制限など急激なダイエットを行うことでビタミンEが不足することは考えられるので、健康を害さないためにもビタミンEを多く含む食品は意識的に摂取する必要があります。
感覚障害・神経障害
ビタミンEが不足することで細胞膜が壊れやすくなりますから、神経を伝達する機能も正常に働かなくなることがあります。その結果感覚障害や神経障害を発生させることもあり、ヘルニアなど整形外科的な症状との鑑別も必要です。
ビタミンEを多く含む食品
- ヒマワリ油
- ベニバナ油
- アーモンド
- ピーナッツ
- ホウレン草
- ブロッコリー
ビタミンEは植物性の食品に多く含まれるのが特徴で、植物性の油脂にも豊富です。アーモンド類などはダイエット中の間食にもオススメなので、食事制限の中でも栄養バランスを崩さないように活用してみてください。脂溶性ビタミンなので、油で調理することで吸収率も高くなります。
まとめ
ビタミンEは細胞の健康という根本的な体の機能を守ってくれています。長期的な効果で見ても、ガンの予防や生活習慣病の予防など様々な効果が期待できるので、サプリメントを含めて不足させない心がけが大切ですね。
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