現代社会、男女ともに貧血になる方が増加しています。しかし、摂取すべきミネラルを詳しく知っていないことで、摂取をしているつもりでも症状の改善が出来ないというケースも多く見受けられます。ただ単に鉄を摂取しても、貧血を改善することは出来ないのです。今回は、そんな貧血対策には知っておきたい摂取すべきミネラルに関して解説します。
貧血対策で鉄だけ摂るのは正しい?嘘?
貧血対策で一番摂取が必要と言われているミネラルと言ったら多くの人が鉄だけと答えます。しかし、実際これは大きな間違いです。鉄の摂取は貧血対策には不可欠ですが、鉄だけでは貧血を改善することは出来ません。実は、鉄は赤血球を作るために不可欠なヘモグロビンの材料ではあるものの、それだけを補給しても赤血球は作られることはないのです。
赤血球を作るには、赤血球を作っている場所に鉄を運ぶ必要があります。この運ぶ作用を持っているのが銅です。そして、赤血球を作る細胞分裂を盛んにする作用があるのが亜鉛になります。
つまり、貧血を改善するには、単純に鉄のサプリを飲んでいても改善しないこともあります。
この3つのミネラルをバランスよく摂取することを意識することで、貧血の改善や予防することができます。
鉄の吸収効率を上げる方法と摂取のポイント
サプリをうまく利用しても吸収効率が上がらなければ飲んでも意味がありません。貧血対策において、鉄のサプリを飲む注意点を解説します。
最初に、鉄はビタミンCと結合しやすい傾向があります。ビタミンCと結合すると吸収しやすい分子構造の形にしてくれます。ビタミンCは豊富な野菜や果物を食べた後に鉄剤を飲むと吸収率が上がります。
逆に、日本茶や紅茶に含まれているカテキンと結合してしまうと鉄の吸収率が落ちます。
そのため、鉄のサプリを摂取して貧血を改善したいと思っているなら飲み物でお茶で飲むと意味がなくなってしまうので注意が必要です。
この事を考えると、飲むタイミングとしては食後か就寝前に飲むのがおすすめです。食後は食べ物の栄養分と相乗効果で吸収率が上がることが見込めるからであり、就寝前は体が休む状態になるのと成長ホルモンの関係で新しい赤血球が作られる時間帯だからです。

あまり知られていない銅の働きとサプリで摂取する必要性
銅は体内に成人一人あたり80mgとミネラルの中では極微量ですが、体内にとって非常に大切な働きを持っています。
先程紹介した、脊髄の中に鉄を運ぶというのが大きな働きで、人間の赤血球が作られる骨髄まで鉄を運びます。貧血になる原因で血液中の鉄分があるにも関わらず貧血になる原因として、この銅が不足していることが一番多い原因になります。
また、銅が不足すると体内に存在する酵素の材料が不足するため、体が疲れやすくなるという症状が起こります。特に活性酸素を除去する働きの酵素の材料になるため、体の機能の低下の原因になります。また、骨の形成にも関わるミネラルで、カルシウムやリンと共に健康な骨を作るには不可欠なミネラルになります。
銅はナッツやココア、海産物に多く含まれていますが、インスタント食品等を食べると添加物と共に体外に排出されてしまうことが多いミネラルです。そのため、慢性的に不足しがちになるミネラルになります。
細胞分裂を助けるミネラル亜鉛
亜鉛は非常に多くの働きを持っているミネラルで、酵素や代謝にも不可欠なミネラルです。亜鉛が不足すると一般的に知られている障害に、味覚障害や精子の数の減少、無月経という症状が有名です。しかし、不足すると貧血を引き起こす原因にもなります。
これらの不足した時に発生する症状として共通しているのは、細胞分裂が非常に盛んというのが特徴になります。生殖細胞、舌下細胞、血液を作る骨髄は細胞分裂が体の中でもとても盛んな部位になります。亜鉛は細胞分裂の時にDNAの合成に関わるミネラルのため、不足してしまうと正常な赤血球が作れなくなります。そのため、亜鉛不足は味覚障害と同時に貧血になるケースも少なくないのです。
厄介なのは亜鉛不足による病気が原因で、逆に銅欠乏性の貧血になることです。何故、過剰摂取によって銅欠乏性の貧血になるのか、近年の研究で銅と亜鉛は吸収の際、ほぼ似た構造を取ることが知られています。過剰に亜鉛を摂取してしまうと、亜鉛ばかりが吸収されてしまい、銅の吸収効率が非常に落ちてしまうため貧血になることが判明したのです。
そのため、亜鉛を摂取することは大切ですが摂取量の目安をしっかり守ることは何よりも大切な事になります。最近は単独で亜鉛のサプリを摂り、加えてマルチミネラルを摂取することで過剰摂取になっている傾向もあるため、飲む場合は一日の摂取目安を守ることが大切になります。
また、亜鉛は牡蠣に豊富に含まれていますが、牡蠣は100あたり13mg以上と含まれています。このため、サプリを飲むとあっという間に過剰量の摂取になってしまうため、書きを食べたときには亜鉛が入っているサプリを飲むには避けたほうが無難です。

貧血対策でミネラルサプリを選ぶポイント
貧血対策で選ぶ場合は、マルチミネラルがおすすめです。マルチミネラルとは、各成分の一日の目安量が手軽に摂取できるタイプの商品になります。ミネラルの摂取は毎日目安量を摂取することが理想です。食事によっては吸収効率が悪くなることもあるため、毎日補うという習慣をつけることが大切になります。一日の目安量のミネラルを摂取することは、食事バランスはもちろん、量を食べる必要があり、かなり大変です。
まとめ
貧血の症状の改善に、不可欠なミネラルは鉄のみと思っている人が殆どですが、実際には、銅や亜鉛を適量摂取できていない事によって引き起こされています。その為、人間の酸素を運ぶ赤血球は材料になる鉄の他に、鉄を運ぶ銅や骨髄の細胞分裂を助ける亜鉛が必要です。
ミネラルはそもそも食事によって摂取しようとすると、食物繊維やカテキンと言った栄養分によって上手く吸収が出来ないことも多いため、毎日手頃に摂取することができるサプリを利用して、補っていくことが大切なのです。
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