ナイアシンはビタミンの一種で、炭水化物やタンパク質、脂質の代謝に大きく関与している栄養素でもあります。ダイエットを効率化して絶対に成功させたい方にとっては、ぜひ知っておきたい効果もたくさん持っているのです。そこで今回は、ナイアシンがダイエットや健康にどんな影響を与えるかということや、どんな食品に含まれているのかをご紹介していきます。
ナイアシンとは
ナイアシンとはビタミンの一種であり、別名をビタミンB3とも呼ばれます。水溶性ビタミンでもあるため、水に溶けやすく体内から排出される水分と一緒に流失してしまいます。脂肪などのように体内で貯めておくことができません。また、ビタミンにありがちな熱に弱いという性質は無く、加熱しても壊れにくいのが特徴でもあります。したがって、ナイアシンをしっかり摂取するには、水に溶けだして流失しないように調理することが必要です。
ナイアシンの主な効果
ナイアシンはダイエットに欠かせない代謝に関わる効果や、自律神経系のバランスを整える効果が備わっています。どんな効果があるのか、一つずつご紹介していきましょう。
三大栄養素の代謝を促進する効果
ナイアシンは、炭水化物、脂質、タンパク質という三大栄養素の代謝を促す効果があります。これがダイエットに最も大きく関係する働きでもあります。食事から摂取したこれらの栄養素を効率よくエネルギーに変換して、結果的に脂肪として蓄積されるのを防いでくれます。栄養素の代謝が遅れると、エネルギーとして変換できずに余ってしまい、脂肪という形でどんどん蓄積されてしまうのです。ナイアシンを始めとするビタミンB群が充実していることで、食事から摂取したエネルギー源もすでに溜め込んでいるエネルギー源も、徐々に燃やしていくことが出来るようになります。体内でエネルギーとして変換する仕組みが上手く回っていなければ、たくさん運動してカロリーを消費しようとしてもダイエット効率が悪くなってしまうのです。ナイアシンを摂取していればどんどん痩せるというわけではありませんが、ダイエットのために努力していることの効果を最大限引き出すためには必要な栄養素であると言えます。

酵素を補助する効果
酵素とは体内に存在している代謝、消化、吸収、排泄など生きていく上で欠かせない体の仕組みを上手く機能させるための物質です。通常は体内で生成され、年齢と共にその産生量が減っていくという特徴があります。年齢と共に痩せにくい体質になっていくのはこのためです。ナイアシンは、体内に存在している酵素の働きを助ける役割を持っていて、代謝活動を陰でサポートしてくれています。体内には2000種類以上の酵素が存在していますが、そのうちの20%にあたる酵素をナイアシンがサポートしているとも言われているのです。単純に、酵素が上手く機能しなくなれば代謝が落ち、痩せにくく太りやすい体質になってしまいます。古い細胞を壊して新しい細胞を作るサイクルも遅くなるので、免疫力が低下したり見た目の若々しさが失われたりしていくことにもなりかねません。ナイアシンが直接的に代謝に作用するわけではなく、あくまでも酵素の働きをサポートするということで、こういった物質のことを補酵素と呼びます。ナイアシンは、体の中で最も重要な補酵素とも言えるでしょう。
美しい髪の毛を保つ効果
髪の毛の主成分はタンパク質です。ハリがあって艶やかな髪の毛を維持するためには、髪の毛の材料であるタンパク質をしっかり合成できることが必要です。髪の毛の材料であるタンパク質のことをケラチンと言いますが、これはアミノ酸の一種でもあります。ナイアシンは、このケラチンを合成するのに必要な栄養素でもあるのです。タンパク質を食事から十分に摂取しても、髪の毛の材料であるケラチンとして変換できなければ健康的な美しい髪の毛は形成できません。ナイアシンは、美しい髪の毛を保つ大前提とも言えますね。また、ナイアシンは毛細血管の血流を良くする効果も期待できます。髪の毛が痩せ細ってコシやハリが無くなってしまう原因は、頭皮の毛細血管の血流が悪くなることが関係しています。髪の毛の代謝を滞らせないようにするためには、ナイアシンの作用で毛細血管の血流が良好な状態を保つことも必要ということですね。髪の毛の表面を艶やかにするための脂質を使うことにも役立つので、見た目の若々しさを左右する髪の毛の美容には欠かせません。
ナイアシンを食品から摂取する方法
- アーモンド
- 落花生
- アボカド
- しいたけ
- えのき
- かつお
- サバ
- 豚レバー
- 鶏ムネ肉
ナイアシンは幅広い食材に含まれていて、通常の食生活を送っていれば体に影響が出るほど不足することはほぼ無いと言われています。逆に言えば、ナイアシンが不足しているということは、かなり偏ってバランスの悪い食生活をしていることの証拠でもあります。代謝異常系の病気を患っていたり、他のビタミンB群が極端に不足していたりしない限りは大丈夫です。中南米など、トリプトファン含有量がひくいトウモロコシを主食としている場合、ナイアシンの不足が心配されます。

ナイアシンが不足するとどうなる?
ナイアシンが不足するということは、食生活にかなり問題があると考えられます。ナイアシンの欠乏症になるとどんな症状が発生するのでしょうか。
消化不良を起こしやすくなる
ナイアシンが不足すると体内に存在している多くの酵素が正常に働けなくなることから、代謝が極端に低下して消化不良を起こしやすくなります。食べてもちゃんと栄養素を吸収したり、老廃物を排泄したりできないので、食欲もなくなってしまいます。
ペラグラが発生する
ナイアシンがさらに極端に不足すると、ペラグラという病態に陥ります。ペラグラは皮膚の炎症、消化不良を悪化させた下痢、精神障害を引き起こす重篤な病気です。治療や食生活改善を行わずに放置した場合、死に至るケースもあります。現代の食生活でペラグラが起こることはほとんど考えられませんが、アルコール依存状態だとナイアシンを使いすぎて不足してしまうこともあります。
ナイアシンフラッシュとは
ここまでの内容を知ると、ナイアシンをたくさん摂取すればするほどダイエットが加速していくと考える人も現れてもおかしくありません。しかし、ナイアシンは過剰摂取すると健康被害を起こすことがあります。それをナイアシンフラッシュと呼び、皮膚が紅潮したり強い痒みが出たりする症状が発生します。通常は数時間で治まります。およそ、1日あたり100㎎以上のナイアシンを摂取すると発生しますが、これは鶏ムネ肉でいうと1kg程度に相当します。食品中のナイアシンを全て効率よく摂取できてこのくらいの量なので、サプリメントの過剰摂取などをしなければ通常は心配ありません。サプリメントなどを使用する場合は、容量を守って活用しましょう。
まとめ
不足すると体に大きな影響を与えますが、不足させなければ体の機能を高く保ってくれる重要な栄養素です。お菓子で食事を済ませてしまうことがある方など、栄養バランスが偏っている方はナイアシンが不足しないように、ぜひ食生活を見直してみてくださいね。
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