アリシンはにんにくに含まれるファイトケミカルの一種で、アンチエイジングなど様々な健康や美容の効果を持っています。ただにんにくを食べるだけよりも、ちょっと工夫をするとアリシンの効果を最大限に引き出し、いつまでも若々しく元気な生活を送れるかもしれません。そこで今回は、にんにくのアリシンが持つ知られざる効果をご紹介していきます。
アリシンとは
アリシンとはにんにくに含まれる成分の一つで、においの元となる成分でもあります。にんにくの中にそのままアリシンが含まれているのではなく、元々はアリインという形で存在しているのも特徴です。にんにくが傷つけられると、アリインが酵素によってアリシンに変化させられ、においを発します。アリシンは殺菌作用を持っていますが、アリシンがさらに調理の過程で様々な物質に変化し、抗がん作用をはじめとする様々な効果を体にもたらします。細かく切り刻む、すりおろす、加熱する、油と絡めるといった調理方法を行うと効果を発揮するので、食品として無傷で扱うよりもこういった調理過程を通した方が良いでしょう。
にんにくのアリシンが持っている効果
にんにくのアリシン自体が持つ効果や、アリシンから生成される物質が持っている効果についてご紹介していきます。
アンチエイジング
アンチエイジングに最も重要なのは、活性酸素の発生を抑えることやその活性を抑制することです。にんにくのアリシンはファイトケミカルの一種でもあり、活性酸素に対抗する力である抗酸化作用が高い栄養成分でもあります。にんにくのアリシンが抗酸化作用を活性化させると考えられているのです。活性酸素は普段、ウイルスや病原菌を撃退する役割を持っています。しかし、活性酸素が体内で発生しすぎると周りの健康な細胞を攻撃するようになってしまい、細胞を傷つけてしまいます。それが老化を加速させ、年齢よりも年老いて見える見た目を作ってしまいます。抗酸化作用によって細胞を活性酸素から守り、いつまでも若く新鮮な状態の細胞を保つことでアンチエイジングに繋がるのです。

免疫力アップ
にんにくに含まれるアリシンは、加熱調理することでスルフィド類という物質に変化します。このスルフィド類がウイルスを撃退する効果を持っていて、さらに体内でウイルスに対する抗体を生成するのを促進してくれます。すなわち、スルフィド類自身がウイルスに対する直接的な攻撃と、体が持つ抵抗力を高めるという二種類の免疫を強化してくれるのです。スルフィド類が直接ウイルスを攻撃することを自然免疫と呼び、抗体を作らせて抵抗力を高めることを獲得免疫と呼びますが、この二つはまさに最強の免疫力アップと言えます。
血流改善
アリシンや、アリシンが元になって作られるスルフィド類には、手先や足先など末梢の毛細血管を拡張する作用があります。体の隅々まで血流が十分に行き届くようになるので、全体的な血流が改善します。血流が改善すれば末端冷え性など、女性に多い悩みが解決される可能性が高まります。さらに血流が改善されると水分や老廃物の交換がスムーズになり、むくみの解消が早まることが期待できます。冷え性もむくみも女性に多いお悩みですが、にんにく成分をこまめに摂取することが根本改善のカギになりそうです。
慢性的な肩こりや腰痛の改善
アリシンがきっかけで血流が改善されると、代謝が上がるので慢性的な肩こりや腰痛が改善されやすくなります。慢性的な肩こりや腰痛の一つの原因は、筋肉の動きが悪く代謝が低いことにあります。血流が悪いと筋肉も凝り固まりやすく、動くが悪くなった筋肉は古いゴムのように弾力性が失われます。それがさらに肩こりや腰痛を悪化させるという悪循環になるので、血流を改善することは慢性症状を根本から改善することに繋がるのです。

疲労回復
疲労回復を早めたり、体力をアップさせたりするにはビタミンB群をしっかり摂取することが重要です。ビタミンB群は糖質やタンパク質、脂質の代謝を促し、エネルギー源に変換する役割を持っている栄養素です。しかし、ビタミンBは水溶性ビタミンなので体内から流失しやすい上に腸管からの吸収率が悪いという特徴があります。ところが、にんにくのアリシンとビタミンBが合わさると、脂溶性の性質に変化するので吸収率が上がって代謝がサポートされるのです。アリシンが存在しているのといないのとでは、ビタミンBの吸収率が変わってエネルギー代謝に大きな差が出るということでもあります。
動脈硬化や高血圧予防
アリシンは血中の悪玉コレステロール濃度を低下させるという作用を持っています。悪玉コレステロールが増えすぎると、血管壁を傷つけて動脈硬化を作ります。それが高血圧に繋がり、生活習慣病のリスクを高めてしまうのです。心疾患や脳血管疾患など、日本人の死因で上位を占める病気は、ほとんど高血圧がきっかけで起こっています。
アリシンが多く含まれる食材
- にんにく
- ニラ
- 玉ネギ
- 長ネギ
- らっきょう
これらユリ科の食品に多く含まれています。中でもにんにくが代表的なので、アリシンを摂取するという目的であればにんにくがオススメです。にんにくを含め、アリシンが多く含まれる食材は食べた後の臭いが気になる食材でもあります。少しでも口臭を抑えるコツとして、アリシンを多く含む食材を食べる前と後に、牛乳や豆乳を飲むのがオススメです。アリシンはタンパク質と結びつきやすいので、タンパク質を多く含む飲み物を飲むことで臭い成分を抑えてくれるのです。
まとめ
アリシンは健康の面でも美容の面でも、様々な効果を発揮してくれます。アンチエイジングは、単に女性がいつまでも若々しく元気な見た目を維持する活動のことではありません。アンチエイジングを予防医学という観点でみれば、今の健康を維持してより免疫力の高い体質を作り上げるということでもあります。美容の根幹は健康にあるので、アンチエイジングは男性でも女性でも重要なことなのですね。そんなアンチエイジングに役立つアリシン、ぜひ普段の食事やサプリメントで日常的に摂取できるように心がけてみてくださいね。
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